……なんて言うか、部…じゃなくて今は同好会か。
その活動で、
イラストに添えて書いてたりするものがあります。基本的にタイトル無し。
小話っぽいのも多いです。

 


 

進んでいくことに不安はあるか

永遠の時を生きるわけではない
永遠の苦痛を受けるわけでもない
永久には 全てがわずか一瞬の出来事なのに
命と言うものは短くて
たとえ一瞬でも生命には永く感じられる

それに不安を抱えるのか
それに恐れを抱くのか

不安を抱かない生命などない
分かっていても命が孤独に似たものを感じとる

不安がらないで そう言い聞かせても
上手くいくとは限らない

不安を抱えるなとは言わない
恐れを抱くなとは言わない

ただ 進むべき時は
それを糧に進むべきだ

 


 

立ちつくし ここに無情を掲げる
自尊はいらない
それだけが唯一の 生きている証だから

この時を阻まれれば
「壊さないでくれ」と 泣き叫ぶことしか出来ない

 


 

砕けた欠片 散る想いと記憶
戻らない 戻せないと解っていても
手を伸ばしてしまうのは
無くしたくないからなのか

砕けちった破片 掴めないと分かっていても
掌(て)を伸ばすのは
消したくないからか
消えたくないからか

 


 

通り過ぎた記憶は色褪せて 薄れていくものだと分かっている
それでも確かに存在していた
記憶のカケラ 握りしめて 前に踏み出せるんだ
立ち止まったら その手を見つめて
思い出になった記憶が きっと支えてくれるから

 


 

別れ行くその先に 再び繋がる道がある
だから今は 笑って見送る

 


 

桜咲くその季節に 新たな出会いと別れがある
分かっているからこそ 笑って見送りたい

 


 

淀み(よどみ)は止まらず
助けてと呼んでも
思考はただ 深みにはまるだけ

 


 

廻る(めぐる)流れに逆らわず ゆらゆらと揺れ続ける
孤独と哀しみを知りたくないから
何も変わらず 何も知らず 流され続ける それだけでいい

そんな時「流されているだけだ」と告げるのは
改変者か それとも神か

ならば自分を見つめてみろ
流れに流されて ゆらゆらと揺れている
分からないか 見えないのか
ならば告げよう「お前はただ叫んだだけじゃないか」

変わろうとせずに 叫んだだけだ
流れに流されて揺れる事に気付いていない

臆病者と自覚している だから流れに逆らわない
臆病者と指をさされた それでも流れに逆らう気はない
流されるだけ 流されてみる

いつか 逆らいたくなるかもしれない
手足をもたげて 歩き出すかもしれない
その時までは 廻る流れに ただ身を任す

 


 

本当は悲しいよ 君と別れるなんてこと
でも折角の門出だ 溢れ出すのをぐっとこらえて
「笑って見送ろうじゃないか」と

「不安がらないでほしい」
そんな意味をこめて笑っているのに
君は 何故泣いてしまう?

 


 

思い描いていた理想は わずかにして届くことはない
そうして嘆き もがいても
浮かぶのは 過去の情景ばかり

後悔するとわかっていた
ただ諦めきれなくて そのまま進んできてしまった

希望の淵へと追われて 虚無へとおちる時がきた
最後に抱えていたものは
届かなかった理想への わずかに残された希望だった

 


 

残された跡 果てた追憶
「もう戻れない」と呟き それすらも虚空へと消え
ただ孤独に酔いしれる 自らの愚かさを嘆く

一片の救いを求める その資格すらないのだと気づき
紡ぐ言葉は 拒むことしか知らない

古き跡をなぞり 這うしかない
残された術に それすら躊躇した涙が流れる
虐げられたことにか 自ら虐げたことにか

涙の痕をなぞり 進むしかない
自らを糧に 痛みを理解しながらも
続く後に望みを託しながら

虚無へと消えるその前に せめて安らぎが訪れるように
祈りを捧げ続けるしかない
先に待つのが  どうか柔らかな痛みであるようにと怯えながら

 


 

存在を否定された咎人よ お前は一体何を思う
流浪しながら生き抜く事を誓うのか
大衆の前で殺められる事を願うのか

声を荒げて叫ぶがいい 自身の生きる意味を問え
他と相容れぬというのなら 孤高として生き抜くか
苦を味わう事を恐れ 痛みを受け入れて消え去るのか

無として有として 存在した証明を
記憶に残る事を願って ただ或る事を訴えかける

 


 

空へ想いを馳せ 水底へ沈んでゆく
高みを目指そうと昇る度
誇れるだけの決意は昇る 身体だけは滅びてゆく

目指す覇者は言った 「無理はするな」と
お前の想いが昇る度 試練に耐える身は朽ちてゆく

見守る神は言った 「お前はそれでいいのか」と
高みを目指すことこそが “神”になるための試練なのだ
人の身が耐えきれることがあろうものか

高みへと手を伸ばす しかしその手は崩れ落ちた
いつの間にか 想いを馳せていた空を まっ逆さまに落ちてゆく

ここまで登り詰めていたのだろうか
夢中になりすぎて 知らずにいた
想いだけはまだ昇る 身体だけは落ちてゆく

漠然と「これで終わりなのだろう」と 先を見据える自分が居る
空を見上げると 水音は広がり 身体は沈み込んでいった

なんて浅はかな想いだ なんて無情なのだ
水音を聴きながら 高みを目指すのは無理だったと知る

やがて崩れた身体は沈んでゆく
残された想いは水と溶け
陽に照らされ 水として 空へ高みへと昇ってゆく

望みは叶えられたのか 叶うことはなかったのか
もはや知る人などおらず 高みを目指した者も知らずして

軌跡だけが残っている 覇者の記憶の中にだけ
志だけが残っている 神の思いの中にだけ

知らずして高みを目指すのは 無謀なのか 無知なのか
問えば覇者は言うだろう
“答えを知ることあるならば それは破滅の始まりだ”

憧れだけで目指すのは 愚かなのか 哀れなのか
問えば神は言うだろう
“知って諦めると言うなら それこそ愚かであるしかない”

ならば渇望するべきか 高みを目指す そのことを
誰もが口を閉ざした 誰も答えを知らずにいるから

高みを目指す そのことは 全てを悟ることに似ているのだ
怖れて進めなかったとして 誰を責めることがあろうか
全てを悟る そのことは もはや精神の死に近い

それでも目指すと言うならば ただ高みを上り詰めろ
誰も止めることなど出来はしないのだから

 


 

何も聞きたくないからと耳を塞ぐ
罵声に笑いに呼び声に
全てが無意味としか思えなくて

それでも音は聞こえてくる
はいあがる自分の叫びと 止められない心音が

「音は聞きたくない」と呟いても
その音を聞き入れる人は誰もいない
誰もが耳を塞いでいた

 


 

道しるべを求めるな 恐怖だけで求めるな

歩き続ける その先に 目指すべきものはあるのか
恐ろしくなって 賢者に答えを求めた

「あなたの目指すべきものは この先にあります」

返された答えに ほっと息をつく
それでも誰かが「気付け 気付け」と叫ぶ
耳を傾ければ 聞こえる声

「お前の問いの答えを 何故 賢者は知っているのか」

『賢いからだろう』 そう言えば 声の主は頭(かぶり)をふって

「お前の目指している“夢”があると 何故 賢者は知っているのか」

悲しく笑んで 言い放つ

はっきりとしないはずの“未来”
描いた理想と将来を 何故 知っているのか

「それは 最初から用意されていた“未来”だから」

賢者は迷うことなく言った

目指すべき“結果”は 最初から見えているものか
追い求めた行く末で 見つけるものではないのか

道しるべを求めれば 迷い歩くことも無い
決められた道を歩めばいい
捕われた“枠”から 脱することなど出来ずに

考える必要も無い 誰かが指し示したからだ
誰かが用意していたものを 用意されたように なぞればいい
操られるがままに

「あなたは愚かです 答えを求めて“枠”を歩くだけの 人形になった」

道しるべを求めるな 恐怖だけで求めるな

彷徨うこともせずに 求めた先は 決められたものでしかない
考えることもせずに 求めた先は 用意されたものでしかない
指標ですらない

ただ 跡形だけ残る 自分の勇気を捨て去った末路だけ

 


 

幾千もの雨が体を伝い、流れていく
幾千もの涙が頬を伝い、流れていく

幾千もの雨が降る中で
私はまた人知れず頬を濡らす


(……高1の時の詩を発見してしまった……(汗))


 

記憶の果てた先に 欠けた感情
沸き上がる思いが 溢れることは無く
封じてもがき続けろと 告げてしまうのは 自分自身

叫びたい でも叫べなかった
溢れ出してしまえば もう後戻りが出来ないから

分かっていた でも分からなかった
抱え続けては苦しみ そして再び馬鹿を見る

反らしたい でも反らせなかった
目を見開いて 半端な現実を飲み込んで

封じて そして感情が欠け
“心の底”から泣くことなど出来なくなる
伝い落ちた涙は 偽善のもの 奥底では“冷静”な自分がいて
感情もなく 全てをじっと見つめている

欠けた感情 記憶の果てに
胸の内では  沸き上がる思いが廻っていて
出ることも出来ずにもがいている そうしてしまったのは 自分自身